ギャンブルは法で禁止にすべきか。

借金
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こんにちは。限界おじさんです。

タイトルのとおり、ギャンブルの問題について語りたいと思う。

平成30年に、ギャンブル等依存症対策基本法を制定し、国を挙げてギャンブル依存症の対策に取り組みを進めている。社会問題として顕在化され、ギャンブルに対する風当たりも強くなっている昨今。

「ギャンブルを禁止しろ」という意見も根強くある。

そのような社会情勢に対して、重度のギャンブル依存症である私の考えを述べたい。

ギャンブルの定義

一般的に「ギャンブル」というと、公営ギャンブル、パチスロ・パチンコ、オンラインカジノ(違法賭博)を指すことが多いだろう。

ギャンブルとは、あるものを賭けてより価値のあるものを手にいれる行為をいいます。 日本では、競馬、競輪、競艇、オートレースなどの公営ギャンブルや、宝くじ、スポーツくじ、パチンコ、スロットの遊技などがギャンブルにあてはまります。

岡山県ホームページ

自治体ホームページの記載のとおり、「あるものを賭けてより価値のあるものを手にいれる行為」がギャンブルであると説明されている。

そのため、今回は、公営ギャンブルや、宝くじ、スポーツくじ、パチンコ、スロット、オンラインカジノ(違法賭博)だけではなく、FX(外国為替証拠金取引)株式投資など幅広く含めて「ギャンブル等」と定義して、話を進めていく。

ギャンブル等依存症とは

ギャンブル等にのめり込んで、コントロールできなくなる精神疾患の一つ。

ギャンブル等依存症の現状

ギャンブル等依存症の割合

そもそも、ギャンブル等依存症ってどのくらい人数いるのか?と疑問に持たれる方もいるだろう。

国内の「ギャンブル等依存が疑われる者」の割合は、成人の0.8%

ギャンブル等依存症対策推進基本計画

「疑われる者」と抽象的なもので、具体的なギャンブル依存症の人数も情報発信元によってバラバラである。

ギャンブル等依存症の問題点

前述したとおり、ギャンブル依存症とは「ギャンブル等にのめり込んで、コントロールできなくなる精神疾患の一つ。」である。

それによって、どのような問題が出てくるのか。重度のギャンブル依存症である私の経験に基づいて、問題点について書いていく。依存症の症状というのは、人によって異なるため、あくまで私の経験上の意見となる。

ギャンブル等依存症による問題点は大まかに二つあると考えている。

経済的な問題

ギャンブル等によって損害が出ても、辞められずに継続する。そのため、収入では足りなくなり借金を繰り返す。その結果、多重債務に陥って、貧困になるケースもある。深刻な状況になると、ギャンブル資金や返済資金を得るために、違法な貸金業者からの借入や、犯罪に走る人もいる。

つまり、ギャンブル等をコントロールできないため、経済的に破綻するのである。

よく、ギャンブル等依存症で取り上げられるのが、この経済的な問題である。

優先順位の変動に伴う問題

では、経済的な問題を解消できればギャンブル等依存症は問題ないのではないか?と考える人もいるかもしれない。

たとえば、ギャンブル等において毎月の収支がプラスなら問題ないように見える。

それは誤りである。

ギャンブル等にのめり込み、コントロールできなくなると、優先順位のトップに「ギャンブル等」が君臨する。そうなると生活に支障をきたす。

仕事を休んでまでギャンブル等をする。

友人との約束をすっぽかしてギャンブル等をする。

育児などをほったらかしてギャンブル等をする。

大切な人の葬式よりもギャンブル等を優先する。

仕事が上手くいかなくなるし、良好な友人関係も築けなくなるし、虐待にも繋がるかもしれない。何より優先されるのは、「ギャンブル等」になるのだ。頭では分かっていても、ギャンブル等を優先してしまう。

ギャンブル等依存症は、倫理観を破壊するのである。これは、経済的な問題よりも重大なことである。

ギャンブル等の全面禁止

ギャンブル等依存症が原因で犯罪を犯す人、または追い詰められて自死する人もいる。最近では、メジャーリーガーの大谷選手の元通訳による窃盗なども世間を騒がせた。

“ギャンブル依存症”で悲惨な事態を招いた水原一平容疑者――非難の声が相次ぐなか、敏腕記者が唯一フォローしたことは?(THE DIGEST) - Yahoo!ニュース
現地時間4月11日、米連邦検察局は大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)の元通訳・水原一平氏が銀行詐欺容疑で訴追されたと発表した。  2021年9月から違法なスポーツ賭博を始めた水原氏。徐々に損失

ギャンブル等依存症やその家族を支援する団体からは「ギャンブル等の禁止」が主張されている。つまり、依存元を禁止にして依存症になる人をなくしたい。又は少なくしたいと考えているのであろう。

はたして、それが正解なのか。

ギャンブル等を娯楽として楽しんでいる人。

株式投資やFXを楽しんでいる人。

そのような人が多数存在する中で、「ギャンブル等の禁止」という主張が通るのか。また、禁止にして根本的な解決になるのか。FXや株式投資に流れるだけではないか。

ギャンブル等依存症と同様にアルコール依存症がある。

アルコール依存症に伴う、飲酒運転や犯罪は後を絶たない。そのような負の部分があるアルコールについて、「アルコールの禁止」という主張が通るのかということ。

結局、「ギャンブル等」も「アルコール」もプラス面とマイナス面を天秤にかけた上で、法律で認めていると思うのよ。なので、依存症の方をケアする取り組みを進めながら、ギャンブル等の存在を社会で容認するのが良いのではないか。将来、社会的損失が問題となれば、法で禁止にするべきかと考える。

大切なことは

依存症の方にとっては、「ギャンブルは悪」や「アルコールは悪」となるかもしれない。程よい距離感で付き合えている人にとっては、人生を楽しむための娯楽や嗜好品なのだ。

世の中には、依存しうるもので溢れている。ギャンブル等やアルコールだけではない。すべてのサービスが依存する可能性を秘めている。

仕事依存症などもそう。経済的な問題は発生しないかもしれないが、優先順位の変動により人間関係や家庭を破壊し、健康も害する可能性がある。

そのような社会で生きていく上で大切なことは、依存しうるもので溢れていることを認識し、常に「自分の身を自分で守る」という心がけを持つことだと思う。

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