パチンコ・パチスロ業界の斜陽化について。

パチスロ
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おはようございます。限界おじさんです。

仕事が休みで暇だったので、数年前から感じている『パチンコ・パチスロ業界の斜陽化』について記事を書こうかな。長文なので、暇な時にでも読んでくだせぇ。

遊戯人口の推移

パチンコ・パチンコ業界が斜陽産業と言われて久しいのだが、いつ頃が業界のピークだったのか調べてみた。

  • 遊戯人口:3,000万人(1998年)
  • ホール数:18,244軒(1995年)

それぞれ、警察庁及びレジャー白書による数値。それにしても、遊戯人口3,000万人ってすごいよね…

当時(1998年)の18歳以上の3割の人がパチンコ・パチスロを遊戯していた計算になる。『国民の娯楽』と表現されていたのも納得の数値。

そこで、近年の推移についても調べてみた。

『パチンコ・パチスロプレイヤー調査2024』より引用

2024年の遊戯人口は842万人。ピーク時と比べて72%もダウンしている。

グラフを見て分かるとおり、2021年に急激に落ち込んでいるのは、コロナ禍によるもの。数年間、そこから回復できずにいる。

また、ホール数についても、警察庁ホームページで最新の情報を調べて、ピーク時と比較してみた。

  • 遊戯人口:3,000万人 → 842万人
  • ホール数:18,244軒 → 7,083軒

結構エグイよね…

前置きが長くなったが、なぜここまで市場規模が縮小してしまったのか。また、コロナ禍から回復できない原因について、三つの切り口から限界おじさんの主観を述べていく。

出玉規制

パチンコ・パチスロ業界は、規制と緩和が繰り返されて現在に至る。

私もパチスロを打ち始めて20年選手になるが、その間も、何度も規制と緩和があった。細かい改正は把握していないので、パチスロ業界における4号機以降の出玉規制の大まかな流れについて説明する。

【4号機(2002年頃)】爆裂AT機(獣王、アラジン、ミリオンゴッド、サラ金 etc)で、異常なまでの出玉性能を搭載した機種の登場。射幸心を煽る流れが加速し、世間でも問題視され始める。

それから、射幸性を抑えるために日電協による自主規制で、爆裂AT機は審査に通らなくなったが、代わりにストック機(北斗の拳、吉宗 etc)が台頭することに。

【5号機(2005年頃)】射幸性が高くなり過ぎた4号機への規制で、検定基準が厳しくなり、出玉性能が大幅に制限された。おそらく、5号機への移行によって、パチスロ遊戯人口はかなり減少したのではないだろうか。

5号機に突入してからも、メーカーの努力によって、検定基準に適合するART機やAT機などの荒い機種が開発された。これによりさらに検定基準が厳しくなることに。(私見だが、近年の出玉規制は、国がカジノ含むIRを進めるための側面が強いと思っている)

【6号機(2018年頃)】5号機よりも検定基準が厳しくなり、出玉性能がさらに制限される。一方で、有利区間については緩和があり、6.1号機では1,500Gだったが、段階を踏んで、スマスロでは事実上の有利区間(無制限)撤廃が実現している。

※○号機というのは、風営法や規則などの改正に伴い変更される。0号機~6号機まである。

出玉規制の流れを簡単に言うと…

警察『お前ら射幸心煽りすぎ、ギャンブル性が高すぎるから規制するね(ニッコリ)』

業界『ひぃぃぃぃぃ(涙)』

メーカー『規制の抜け道を見つけて、ユーザーが満足する出玉性能が実現したぜ!』

ユーザー『うぉぉぉ!メーカーやるやんけ!脳が溶けるぅ!』

警察『ふざけんな!さらに規制かけるわ!』

業界『マジですかぁぁぁ(号泣)』

を繰り返している。まさにイタチごっこ。

前述したとおり、度重なる出玉規制により、射幸性が抑えられてユーザー離れが起こったと一般的には言われている。

個人的には、出玉規制が遊戯人口減少のキッカケにはなったが、それ以外の要因が斜陽化の本質であると考えている。

娯楽の多様化

28年前には『国民の娯楽』として君臨していたパチンコ・パチスロ業界。なぜ、ここまで衰退したのか。

それは、娯楽の多様化によるところが大きいと思う。特に、インターネットの進展により、場所を問わずに気軽に利用できるサービスが増えたことが大きい。

思いつくものを列挙すると

  • 株式投資(1998年にネット取引開始)
  • FX(1998年にネット取引開始)
  • 競艇(2001年にネット取引開始)
  • 競輪(2002年にネット取引開始)
  • 競馬(2002年にネット取引開始)

スマホの普及に伴い、インターネットを介して、これらのサービスを利用する人が増加している。また、オンラインカジノ(違法)のようなものも存在し、パチンコ・パチスロとは比べものにならない金額がやり取りされている。

このような状況を踏まえると、パチスロの出玉規制が無くても、遊戯人口は減少していたと思う。

レジャー白書を読めば分かるのだが、コロナ禍における在宅需要により、公営ギャンブルの売り上げは大幅に伸びて、その後も堅調に推移している。パチンコ・パチスロだけ売り上げが落ち込んだまま。

パチンコ・パチスロ業界の一人負け状態。

そりゃそうよ、わざわざホールまで行かなくとも、楽しめるんだから。実際、チャリンコの方が楽しいしな。

時代にそぐわないサービス形態

インターネットの進展やスマホの普及で、場所や時間に囚われずにサービスを提供できることが当たり前の社会になった。

そのような環境で、現在も店舗営業をしているパチンコ・パチスロ業界。

最近では、台ごとにメダル計測機の設置や、スマスロといったコインレス機種の設置を進めている。

店舗に集客するなら、出玉を積んで視覚に訴求するほうが効果あるのに、デジタル化を進めることにより、集客力を削ぐことをしている。

意味がわかんない。アホなの?(デジタル化により人件費の削減を理解した上で)

20年前と比べて、音量調整機能が搭載された機種がデフォルトになり聴覚による興奮はなくなり、出玉の積み上げによる視覚的興奮や、他者に対する優越感も奪われた。

静かなホール内で、台に座って、スマホを閲覧しながら、惰性でレバーを叩いている大人が、ずらっと並んでいる姿が光景が見られる。

ただただ不気味な光景。

わざわざホールに行って、遊戯する必要性をまったく感じない。

それを見て、私のような単細胞生物は、安直にこう考えるのよ。

オンラインで遊戯できるようにすれば、店舗維持費や機種導入費、人件費を大幅に削減できるじゃん!それで解決するやん!って。

ところがどっこい翔平。

そんなこと簡単にできないんですよ。奥さん。

まず、パチスロメーカー(機種を販売している企業)が困るというか反対すると思う。1台あたり数十万円もする商品が売れなくなるからね。

仮に、ライセンスのような形態で利益が確保できる環境を整えても、最大の問題がある。

それは、景品の提供および交換の問題。

現在、風営法により三店方式は適法であるが、オンライン遊戯になると、景品に纏わる部分が、風営法に抵触する可能性が出てくる(私見)

つまり、時代の潮流として、オンライン化が進んでいる中で、パチンコ・パチスロ業界はこれからも店舗営業を続けて行かなかければならないわけだ。競合している他の娯楽と比べて遅れをとっている状況。

ホール内で五感を刺激するような仕組みや、居心地の良い空間を創って、店舗営業の強みを活した集客を図るのか。

もしくは、法改正してオンライン化に舵を切るのか。それとも、このまま斜陽化を進めて衰退の一途をたどるのか。

オンライン化が可能になる法改正なんて無理だろうけど。

いずれにせよ、厳しい状況は今後も続くと思われる。

まとめ

長々と書いてきたが、

  • 出玉規制
  • 娯楽の多様化
  • 時代にそぐわないサービス形態

これら3つの要因で、今後も斜陽化は進んでいくと思う。斜陽化の大きな原因は、“娯楽の多様化”によるところだと個人的には思っている。他に娯楽がなければ、パチンコ・パチスロに、ある程度の人口が留まるはずだからね。

サービス形態的にも、他の娯楽に太刀打ちできないってのが、もうお手上げ状態。

そもそも、パチンコ・パチスロ業界って古臭い考えから脱却できていないんじゃないかとさえ思ってる。20年以上ホールに通っていて“パチ屋って賢いなぁ”と思ったことがない。

時代の潮流に乗れないものは淘汰されていくのが自然の摂理。

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